進捗
PS4 独占タイトルが続々と PC に「ネイティブ移植」 ブラボに続きゴッド・オブ・ウォーIII、DRIVECLUB、アンチャーテッドなどが2週間で
ポイント
- 10月1日のブラボの bbport に続き、10月12〜19日に少なくとも7本の PS4 独占タイトルや PS4 版のゲームに非公式のネイティブ PC 移植が登場しました。
- やり方はほぼ同じで、ゲーム本来の x86-64 コードを PC の CPU でそのまま動かし、システムライブラリは専用のランタイムで置き換え、描画は shadPS4 のビデオコアかそこから派生したレンダラーで Vulkan に変換します。
- 完成度の差は大きく、ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタードは最後まで遊べ、DRIVECLUB はネイティブ4Kで約60fps、The Order: 1886 はまだ荒削りです。
- 11月に入っても続いています。11月1日に PS4 版『The Last of Us Remastered』のネイティブ PC 移植、2日に『スターオーシャン5』Windows 版と PS4 版『グランツーリスモ7』の PC アルファ版が出ました。
- どれもゲームファイルは含まず、自分のゲームデータが必要です。11月3日時点で、GitHub の DMCA 公開リポジトリに10月のソニーの通知はありません。
- TechPowerUp は、ソニーが単独プレイ作品の PC 移植を減らしているとされるなか、コミュニティのプロジェクトが積み上がっていると見ています。
2026年10月1日にブラボ(ブラッドボーン)のネイティブ PC 移植 bbport が出たあと、同じ手法が2週間あまりで次々と PS4 のゲームに広がりました。10月12日から19日にかけて、『ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタード』『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』『アンチャーテッド コレクション』『グランツーリスモSPORT』『DRIVECLUB』『The Order: 1886』に非公式のネイティブ PC 移植が登場しています。考え方はどれも同じで、PS4 と PC はどちらも x86-64 なので、ゲーム本来のコードを PC の CPU でそのまま動かし、システムライブラリは専用のランタイムで置き換え、描画は shadPS4 を借ります。完成度は「最後まで遊べる」から「まだかなり荒い」までさまざまです。
時系列
| 日付 | ゲーム | 状況(報道より) |
|---|---|---|
| 10月1日 | ブラッドボーン(bbport) | 実験的だがプレイ可能、1440pで約150fps(bbport の記事) |
| 10月12日 | ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタード | 最初から最後まで遊べる、キーボード・マウス対応、1080pで平均144fps |
| 10月14日 | ワンダと巨像(PS4 版) | ごく基本的、重い場面で29〜40fps |
| 10月15日 | 人喰いの大鷲トリコ | 標準30fps、60fpsと無制限は実験的 |
| 10月15日 | アンチャーテッド コレクション(1〜3作) | 最初の公開版、60/120fpsモード |
| 10月16日 | グランツーリスモSPORT | 車の台数しだいで42〜60fps |
| 10月18日 | DRIVECLUB | 2つのプロジェクト、ネイティブ4Kで約60fps |
| 10月19日 | The Order: 1886 | ごく初期、毎日更新 |
| 11月1日 | The Last of Us Remastered | 作者によるとクリアしたプレイヤーあり、GTX 1050 Ti ノートで40〜60fps |
| 11月2日 | スターオーシャン5(Windows 版) | 1080p/1440p/4K、実験的な FSR |
| 11月2日 | グランツーリスモ7(PS4 版) | 公開アルファ、開発者によると30fpsモードと実験的な60fps |
各移植
ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタード
DSOGaming によると、この移植は Supermedo 氏のブラボ Windows 移植(それ自体が deadinside28 氏の bbport がベース)をもとに、cuesta4 氏の shadPS4 フォークにあるこのゲーム向けの修正も使っています。
- オープニングから最後の戦いまで遊べ、メニュー、ムービー、音楽、ボイス、効果音が動作
- 最初からキーボード・マウスに対応し、キー割り当ても変更可。DualSense や Xbox などのパッドも使えます
- Ryzen 5 5600X、メモリ32GB、RX 6700 XT で1080p平均144fps(最低55、最高240)、4K+FSR で平均108fps
- セーブのバックアップ、MOD 管理、更新チェックつきのランチャーと、ゲーム内の設定メニュー
- まだアルファ版。CUSA01623 版と1.02アップデートが必要
ワンダと巨像(PS4 版)
DSOGaming は「ごく基本的な AI による PC 再コンパイル」と評しています。ブラボの移植がベースで、shadPS4 に大きく頼り、PS4 向けの既存の60fpsパッチも使っています。キーボード・マウスと最大4Kに対応。作者によると RTX 2060 SUPER でタイトル画面約67fps、最も重い場面で29〜34fps。i5-14600K と RTX 3060 Ti で試した YouTuber は、最も重い場面で約40fpsでした。
人喰いの大鷲トリコ
標準は PS4 と同じ30fpsで、60fpsと無制限も選べますがどちらも実験的です。解像度は1080pで内部解像度は変えられないようですが、SMAA と RCAS/CAS のシャープ化が使えます。DualSense、DUALSHOCK 4、Xbox、8BitDo のパッドとモーション操作、キーボード・マウスに対応しています(DSOGaming)。
アンチャーテッド コレクション
TechPowerUp によると、ブラボの Windows 移植を手がけた Supermedo 氏が10月15日に、このコレクション(『エル・ドラードの秘宝』『黄金刀と消えた船団』『砂漠に眠るアトランティス』)の最初の公開版を出しました。ソニーは2022年に『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』と『古代神の秘宝』を PC で出しましたが、最初の3作は出ていません。
- 3作とも60/120fpsモード、それ以上は実験的
- アンチエイリアスは TAA、FSR 3.1、FSR 4、DLAA。フレーム生成は FSR 3(どの GPU でも)と DLSS フレーム生成(RTX 40で2倍、RTX 50で最大4倍)
- RTX 4060 搭載ノートで1080p・DLAA で1作目をクリアしたユーザーがいて、おおむね100〜120fpsでしたが、11章のクラッシュでセーブが壊れたそうです
- BilalReloaded 氏による同じような方式の別プロジェクトもあり、描画解像度は720pから4Kまで
グランツーリスモSPORT
作者は mlgprorektm8 氏。DSOGaming は、カクつきを減らすための3つのシェーダーコンパイル方式(スプラッシュ画面で事前コンパイル、新しいシェーダーのときはゲームを一時停止、停止中にまとめてコンパイル)に注目しています。FSR 3.1 のフレーム生成にも対応しますが、ゲームがモーションベクトルを出さないため、速く動く輪郭や HUD に少し残像が出ます。作者によると、画面上の車の台数しだいで42〜60fpsです。
DRIVECLUB
VideoCardz によると、プロジェクトは2つあります。
| DriveClub Recomp(OverkillLabs3) | DCport(qnfn) | |
|---|---|---|
| 解像度 | 720p〜8K、ウルトラワイド対応 | — |
| フレームレート | 無制限でもゲーム速度は変わらない | — |
| 画質 | NVIDIA DLAA、AMD FSR 3.1 Native AA | FSR 4、フレーム生成 |
| 性能 | RTX 5070 Ti+Ryzen 7 5800X3D でネイティブ4Kの重い場面が約60fps。0.2.3で CPU 負荷の高いレースが62→71fps | — |
| その他 | 専用ランチャー、キーボードとコントローラー、MOD、自分のゲームデータにある DLC | — |
The Order: 1886
DSOGaming によると、ごく初期の段階ですがすでにダウンロードして遊べます。CPU 側はネイティブで、描画は shadPS4 のビデオコアで動きます。キーボードで移動、マウスで照準。まだ荒く、毎日更新されています。
11月初め:ラスアス、スターオーシャン5、GT7
この流れは11月に入っても止まっていません。
- The Last of Us Remastered:11月1日に PS4 版(CUSA00552)の非公式ネイティブ PC 移植が登場しました。作り方は上と同じで、描画には shadPS4 の表示コアを使います。作者によると、最初から最後までクリアしたプレイヤーもいて、GTX 1050 Ti 搭載ノートで40〜60fps。ソニー公式の PC 版『The Last of Us Part I』とは別物です。詳しくは ラスアス リマスタードのネイティブ PC 移植の記事 へ。
- スターオーシャン5/サクラ大戦:開発者 HekamiAeon 氏は10月、1本のゲーム専用の Linux 向け互換ランタイム(PS4RT)をいくつか公開しました。『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』や『新サクラ大戦』も含まれます。11月2日にはこれをもとにした『スターオーシャン5』の Windows 版が出て、Generation Amiga によると1080p/1440p/4K、実験的な FSR 3.1/FSR 4、ランチャーに対応しています。同じ日にコミュニティで『新サクラ大戦』の Windows 版も公開されました。
- グランツーリスモ7(PS4 版):GameGPU によると、ryGT7 というプロジェクトが11月2日に公開アルファを出し、PS4 版の GT7 を Windows で動かしています。開発者によると30fpsモード、実験的な60fps、DLSS/FSR/フレーム生成、ハンドルコントローラーのフォースフィードバックに対応し、重いコースで35〜48fps。テスト環境は公表されていません。
なぜ一度にこんなに出てきたのか
bbport が、この方法が通用することを示しました。PS4 の CPU は PC と同じなので、ゲームが使うシステムライブラリを差し替え、shadPS4 の描画変換を流用すれば、CPU のエミュレーションなしで1本のゲーム向けに最適化した PC 版ができます。その後のプロジェクトの多くは bbport かその Windows フォークを出発点にしています。ワンダと巨像についての DSOGaming の評価からは、AI を使って短期間で作られたものもあることがわかります。TechPowerUp は、ソニーが単独プレイ作品の PC 移植を減らしているとされるなかで(ソニーの PC 移植停止の記事)、コミュニティのプロジェクトが積み上がっていると見ています。
2026年11月3日時点で、GitHub の DMCA 公開リポジトリに2026年10月のソニーの通知はなく(11月のフォルダはまだありません)、ソニーもこれらのプロジェクトについて公にコメントしていません。どのプロジェクトにもゲームファイルは含まれていません。
プレイヤーにとっての意味
これらの PS4 ゲームを持っているなら、PC には shadPS4 でのエミュに加えてもう一つの道ができました。フレームレートが高く、キーボード・マウスや画質設定も最初から付いていることが多いです。ただし移植はどれも1本だけが対象で、完成度の差は大きく、ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタードはクリアできても、The Order: 1886 はまだ快適に遊べる段階ではありません。ゲームごとの情報は ブラッドボーン、DRIVECLUB、The Last of Us Remastered のページ、移植の土台については bbport と shadPS4 のページ、この1年の流れは 2026年の shadPS4 まとめ をどうぞ。
よくある質問
これらの PS4 ゲームの PC 移植は公式ですか?
どれも違います。プレイヤーコミュニティによる非公式プロジェクトで、ソニーや元の開発会社とは関係がなく、ゲームファイルも含まれていないので自分のゲームデータが必要です。ソニーが公式に PC 版を出したのは一部の作品(アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝、古代神の秘宝など)だけで、今回の移植の多くは PC 版が一度も出ていないゲームです。
「ネイティブ移植」とエミュの違いは?
PS4 の CPU は PC と同じ x86-64 なので、これらの移植はゲーム本来のコードを PC の CPU でそのまま動かし、CPU のエミュレーションはしません。PS4 のシステム機能は専用のランタイムが代わりを務めます。描画は変換が必要で、たいてい shadPS4 のビデオコアかそこから派生したレンダラーを使います。エミュは実行中にゲーム機全体をエミュレートし、1つのプログラムで多くのゲームを動かします。
ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタードは PC で最後まで遊べますか?
DSOGaming によると遊べます。オープニングから最後の戦いまでプレイでき、メニュー、ムービー、音楽、ボイスも正常で、キーボード・マウスにも対応。まだアルファ版なので不具合はありえます。CUSA01623 版と1.02アップデートが必要です。
DRIVECLUB は PC で何fps出ますか?
VideoCardz によると、DriveClub Recomp の開発者は RTX 5070 Ti と Ryzen 7 5800X3D で、ネイティブ4Kの重い場面で約60fps。0.2.3では CPU 負荷の高いレースが62fpsから71fpsに上がりました。もう一つの DCport は FSR 4 とフレーム生成に対応しています。
ソニーに削除されませんか?
2026年11月3日時点で、GitHub の DMCA 公開リポジトリに2026年10月のソニーの通知はなく(11月のフォルダはまだありません)、ソニーの公式コメントもありません。
出典
- Wccftech:FromSoftware's Bloodborne Finally Hits PC With Unofficial Native Port(2026-10-07)
- DSOGaming:God of War 3 Remastered Unofficial PC Port Released(2026-10-12)
- DSOGaming:Shadow of the Colossus PS4 Remake Gets Unofficial PC Port(2026-10-14)
- DSOGaming:The Last Guardian Just Got an Unofficial PC Port(2026-10-15)
- DSOGaming:Gran Turismo Sport Unofficial PC Port Available for Download(2026-10-16)
- VideoCardz:Driveclub, Sony's PS4 exclusive, is now a native PC game thanks to modders(2026-10-18)
- TechPowerUp:Uncharted Trilogy Reaches PC Through Unofficial Ports(2026-10-19)
- DSOGaming:PS4-Exclusive The Order: 1886 Gets an Unofficial PC Port(2026-10-19)
- Generation Amiga:The Last of Us Remastered is running on PC 12 years after its PS4 debut(2026-11-02)
- Generation Amiga:Star Ocean: Integrity and Faithlessness makes an unexpected appearance on PC(2026-11-02)
- GameGPU:Gran Turismo 7 を PC で60fps、DLSS・FSR・フレーム生成対応(2026-11-02)
- GitHub DMCA 公開リポジトリ:2026年10月の通知一覧