進捗
ブラボの PC ネイティブ移植「bbport」 エミュなしで PS4 版のコードを Linux で直接実行、1440pで150fps
ポイント
- 2026年10月1日、deadinside28 氏が bbport 0.1 を公開。PS4 版ブラッドボーン(CUSA03173、1.09)の x86-64 コードを Linux パソコンの CPU でそのまま実行します。汎用エミュではありません。
- PS4 のシステムライブラリはブラボ専用の小さなランタイムで置き換え、GPU の処理は shadPS4 から派生し大きく拡張したレンダラーで Vulkan に変換します。
- VGTimes によると RX 7800 XT で1440p(FSR 4 クオリティ)約150fps、4K(FSR 4 バランス)約90fps。30/60/90fpsモードと FSR 3.1/4/4.1.1 に対応。
- x86-64 の Linux、Vulkan 1.3 対応 GPU、1.09 に更新した自分のゲームデータが必要です。ゲームファイルは含まれず、全編クリアはまだ確認されていません。
- Supermedo 氏の Windows 版フォークが続き、同じ方法がゴッド・オブ・ウォーIII リマスタードや DRIVECLUB にも広がりました。11月1日時点でソニーの DMCA 通知は見当たりません。
2026年10月1日、開発者の deadinside28 氏が bbport 0.1 を公開しました。PS4 版ブラッドボーン(CUSA03173、1.09)の実行ファイルを、x86-64 の Linux パソコンでそのまま動かすものです。説明には「汎用のエミュレーターではない」とはっきり書かれています。ゲーム自身の x86-64 コードはそのまま CPU で動き、PS4 のシステムライブラリはこの1本のために書いた小さなランタイムが代わりを務め、GPU の処理は shadPS4 から派生してブラボ向けに大きく拡張したレンダラーが Vulkan に変換します。VGTimes によると RX 7800 XT の1440pで約150fps。まだ実験段階で、最後まで通して遊べるかは確認されていません。
なぜ「ネイティブ」で動くのか
PS4 は AMD の x86-64 プロセッサーを使っていて、普通のパソコンと同じ命令セットです。ブラボのゲームロジックはもともと PC の CPU で実行できるわけで、難しいのは、ゲームが呼び出す PS4 のシステム機能(メモリ、スレッド、ファイル、音声、コントローラー、セーブ)と PS4 の GPU です。bbport のやり方は次のとおりです。
- CPU:ゲームの eboot を事前に x86-64 のネイティブなイメージに変換し(DSOGaming の説明)、ローダーがそのままゲームのコードに飛び込みます。CPU のエミュレーションも命令ごとの変換もありません
- システムライブラリ:ブラボが実際に呼ぶ PS4 の関数だけを実装
- 描画:PS4 の GPU コマンドとシェーダーを Vulkan に変換。レンダラーとシェーダー再コンパイラは shadPS4 のものから出発しています
「1本のゲーム専用の Wine+DXVK」と考えるとわかりやすいでしょう。Tom's Hardware イタリア版も、ここでの「ネイティブ」はゲームのコードが CPU で直接動くという意味で、描画は変換を通っていると注意しています。
shadPS4 との違い
Wccftech がプロジェクト自身の比較表を紹介しています。主な項目は次のとおりです。
| shadPS4 | bbport | |
|---|---|---|
| 対象 | 汎用 PS4 エミュ、多数のゲーム | ブラボ1.09のみ |
| 読み込み | 実行時に独自の ELF ローダーとカーネルエミュ | 事前に eboot をイメージ化し、小さなローダーでゲームへ |
| システムライブラリ | PS4 の OS を幅広くエミュレート | ブラボが使う機能だけの小さなランタイム |
| GPU スレッド | 1スレッドでコマンド全体を処理(ブラボのボトルネック) | デコードと描画の記録を別スレッドに分け、ハードのスレッド数に応じて伸びる(Steam Deck も) |
| アップスケール | なし | FSR 3.1/FSR 4/FSR 4.1.1。ゲーム自身のモーションベクトルとジッターを使用 |
性能と機能
VGTimes によると、開発者の RX 7800 XT での計測は次のとおりです。
| 設定 | フレームレート |
|---|---|
| 1440p、FSR 4 クオリティ | 約150fps |
| 4K、FSR 4 バランス | 約90fps |
初期の機能(Wccftech、DSOGaming より):
- フレームレート無制限、30/60/90fpsモード
- AMD FSR 3.1、FSR 4、FSR 4.1.1 の時間的アップスケール
- ゲーム内メニューでアップスケーラー、画質プリセット、出力解像度を切り替え、被写界深度、モーションブラー、SSAO などをオフにできる。設定ファイルの編集は不要
- ランチャー、MOD 対応、フリーカメラ、Steam Deck 用の AppImage
- セーブの読み込み、音声、コントローラーが動作。開発者は狩人の夢とヤーナムのいくつかのエリアを遊んでいます
公開直後の DSOGaming の不満点は、マウスに対応していないことでした。
動作条件
- x86-64 の Linux パソコンか Steam Deck
- Vulkan 1.3 対応の GPU
- 1.09に更新した自分のブラッドボーンのゲームデータ。ゲームファイルは含まれていません
Windows 版と、その後の移植ラッシュ
bbport は Linux から始まりましたが、すぐに Windows 版のフォークが出ました。DSOGaming と TechPowerUp の記事は、どちらも Supermedo 氏のブラボ Windows 移植に触れています。その後の数週間で、同じ考え方が『ゴッド・オブ・ウォーIII リマスタード』『アンチャーテッド コレクション』『DRIVECLUB』『グランツーリスモSPORT』などにも広がりました(10月の PS4 独占タイトルのネイティブ移植ラッシュ)。同じ月には、これをもとに Snapdragon の Android 端末でブラボを動かす移植も出ています(Bloodborne-Android の記事)。
ソニーの対応
2026年11月1日時点で、ソニーは bbport について公にコメントしておらず、GitHub の DMCA 公開リポジトリにも2026年9月・10月のソニーの通知はありません。前例としては、2025年1月にソニーが Lance McDonald 氏の何年も前に公開されたブラボ60fpsパッチのページに DMCA を出しています。Push Square によると、問題はパッチそのものではなく、ページがソニーの商標「Bloodborne」を使っていたことでした。
プレイヤーにとっての意味
Linux パソコンや Steam Deck でブラボを、より高いフレームレートとゲーム内の画質設定で遊びたいなら、bbport は shadPS4 以外のもう一つの選択肢です。対応はこの1本だけで、最後までの安定性もまだ確認されていないので、終盤で問題が出たら shadPS4 に戻る手もあります。両者の比較と各プラットフォームの状況は bbport のページ、shadPS4 のページ、ブラッドボーンのページ へ。
よくある質問
bbport はエミュレーターですか?
違います。PS4 の CPU はもともと x86-64 なので、bbport はブラボの元のコードを PC の CPU でそのまま動かし、CPU のエミュレーションや命令ごとの変換はしません。PS4 のシステムライブラリはブラボ専用の小さなランタイムで置き換え、変換が必要なのは PS4 の GPU コマンドとシェーダーを Vulkan にする描画部分だけです。対応はブラッドボーン1本のみです。
対応しているブラボのバージョンは?
1.09のみです(CUSA03173 を基準にしています)。自分のゲームデータが必要で、ゲームファイルは一切含まれていません。
Windows や Steam Deck で使えますか?
元の bbport は x86-64 の Linux 向けで、Steam Deck 用の AppImage もあります。Windows には Supermedo 氏が保守するフォーク版があります。スマホや Mac などの ARM 機ではそのままでは動きません。
ブラボを遊ぶなら bbport と shadPS4 のどちら?
bbport はブラボ専用で、CPU の負担が軽くフレームレートが高く、ゲーム内でアップスケーラーや画質を変えられます。shadPS4 は多くのゲームが動く汎用エミュで、ブラボもすでに十分安定しています(Digital Foundry が4K60を確認)。bbport の描画部分自体が shadPS4 から出発しています。
ソニーに削除されませんか?
2026年11月1日時点で、GitHub の DMCA 公開リポジトリに bbport や同種の移植に対するソニーの通知はなく、ソニーの公式コメントもありません。2025年1月にはブラボの60fpsパッチのページに DMCA が出されましたが、Push Square によると理由は「Bloodborne」という商標名の使用でした。
出典
- VGTimes:Bloodborne Runs Natively on Linux in Experimental bbport, Reaching 150 FPS(2026-10-05)
- Wccftech:FromSoftware's Bloodborne Finally Hits PC With Unofficial Native Port(2026-10-07)
- DSOGaming:Bloodborne Unofficial Native PC Port Available Now for Download(2026-10-07)
- Tom's Hardware Italia:Bloodborne ha un port PC nativo non ufficiale(2026-10-07)
- DSOGaming:God of War 3 Remastered Unofficial PC Port Released(2026-10-12、Supermedo 氏のブラボ Windows 移植に言及)
- TechPowerUp:Uncharted Trilogy Reaches PC Through Unofficial Ports(2026-10-19)
- GitHub DMCA 公開リポジトリ:2026年10月の通知一覧
- Push Square:Sony's Bloodborne 60fps Mod DMCA Takedown Was About the Name(2025-02)