ガイド
Steam Deck・Linux で PS4 エミュ:shadPS4 の導入と設定(AppImage / Flatpak)【2026年11月】
ポイント
- 2026年11月1日時点、shadPS4 は Linux にネイティブ対応し、Steam Deck でも使えます。公式互換性リストで Playable の数がいちばん多いのは Linux(約 210 本)です。
- 導入方法は 2 つ。公式サイトの QtLauncher の AppImage(Version Manager でバージョン切り替え可)か、Flathub の Flatpak net.shadps4.shadPS4(バージョン固定、2026-11-01 時点で v0.20.0)。
- Steam Deck ではデスクトップモードで入れてから「非 Steam ゲームを追加」でゲームモードへ。Flatpak は最初から home、/media、/run/media を読めるので、SD カードのゲームも追加の権限なしで使えます。
- PC Gamer(2025年11月)によると、shadPS4 0.12.6 の Bloodborne は Steam Deck OLED の携帯モードで FPS 解除時におおむね 60 近く、大きな戦闘で 40 前後、ドック接続では 30fps 固定で安定。
- Bloodborne だけなら bbport という選択肢も。Bloodborne 1.09 専用のネイティブ移植で、Steam Deck でそのまま使える AppImage がありますが、まだ実験段階です。
目次
2026年11月1日時点で、Linux PC や Steam Deck で PS4 のゲームを動かすなら shadPS4 です。Linux にネイティブ対応しており、公式互換性リストで Linux でテストされ Playable になっているゲームがいちばん多くなっています(約 210 本、Windows は約 160 本)。導入方法は、公式サイトの QtLauncher の AppImage(バージョンを切り替えられる)と、Flathub の Flatpak(net.shadps4.shadPS4、バージョン固定)の 2 つ。Steam Deck ではデスクトップモードで入れてからゲームモードに追加します。Bloodborne だけが目当てなら、Bloodborne 専用のネイティブ移植 bbport もあります。
AppImage か Flatpak か
| 公式 AppImage(QtLauncher) | Flathub の Flatpak | |
|---|---|---|
| 入れ方 | 公式 Downloads ページで Linux 版を入手し、展開して実行 | Discover ストアか flatpak install |
| エミュのバージョン | Version Manager で安定版・プレリリース版を自由に選べる | 同梱の安定版に固定、切り替え不可 |
| 現在のバージョン(2026-11-01) | v0.21.0 / 毎日のプレリリース | v0.20.0 |
| 更新 | ランチャーで新しいバージョンを入れる | システムの更新と一緒に |
| データの場所 | ~/.local/share/shadPS4 | ~/.var/app/net.shadps4.shadPS4/data/shadPS4 |
| 向いている人 | 最新の修正がほしい、別のバージョンも試したい | 手軽さ重視 |
Flathub の説明にもはっきり書かれているとおり、Flatpak 版のランチャーは同梱のエミュを使う設定で、ほかのバージョンを入れたり動かしたりはできません。バージョンを選びたいなら公式の AppImage を使います。
スペック(動作環境)
公式の最低要件は、x86-64-v3(AVX2)対応で 4 コア 6 スレッド以上の CPU、Vulkan 1.3 対応で VRAM 2GB 以上の GPU、メモリ 8GB、Ubuntu 22.04 か同じくらい新しいディストリビューションです。GPU ドライバーは最新にし、AMD と Intel はディストリビューション標準の Mesa ドライバーで大丈夫です。Steam Deck は必須条件をすべて満たしています。段階別の目安は PS4 エミュのスペック へ。
Linux デスクトップでの導入(AppImage)
- 公式サイト shadps4.net の Downloads ページで Linux 版 QtLauncher(ファイル名に
linux)を入手し、~/Applications/shadPS4/など自分のフォルダーに展開します。 - AppImage に実行権限を付けます。ファイルのプロパティで「プログラムとして実行可能」にチェックするか、端末で
chmod +x shadPS4QtLauncher-qt.AppImageを実行します。 shadPS4QtLauncher-qt.AppImageを実行します。- 右上の Version manager でエミュ本体を入れます(まずは最新の安定版)。
- 設定 → Paths → Game Folders でゲームのフォルダーを追加します。
プログラムやゲームを root 権限が必要なディレクトリに置かないでください。公式によるとおかしな不具合の原因になります。
Steam Deck での導入
手順 1:デスクトップモードで入れる
- 電源ボタン → デスクトップに切り替え。
- どちらかを選びます。
- Flatpak:Discover を開いて shadPS4 を検索し、開発者が shadPS4 Contributors、アプリ ID が
net.shadps4.shadPS4であることを確かめてインストール。 - AppImage:ブラウザーで公式サイトから Linux 版 QtLauncher を入手し、上の「Linux デスクトップ」の手順で展開・実行権限を付け、Version manager でエミュ本体を入れます。
- Flatpak:Discover を開いて shadPS4 を検索し、開発者が shadPS4 Contributors、アプリ ID が
- shadPS4 を開き、設定 → Paths でゲームのフォルダーを追加します。SD カードは
/run/media/の下にあり、Flatpak 版は最初から home、/media、/run/mediaを読めます。ほかの場所に置いた場合は Flatseal でパスの権限を足します。 - デスクトップモードで一度ゲームを起動し、動くことを確認します。
手順 2:ゲームモードに追加する
- デスクトップモードで Steam を開き、左下の「ゲームを追加」→「非 Steam ゲームを追加」。
- Flatpak 版は一覧の shadPS4 にチェック、AppImage 版は「参照」から
shadPS4QtLauncher-qt.AppImageを選びます。 - ゲームモードに戻り、ライブラリの「非 Steam」から起動します。Flatpak のパッケージ定義には Steam Deck の Gamescope 用の権限が入っています。
- ゲームモードでコントローラーだけでランチャーを操作したいときは、QtLauncher の Big Picture 表示を試してください(v0.20.0 でフォルダーの再帰スキャンに対応)。
QtLauncher の右クリックメニューには Add to Steam もあり、ゲーム単位で Steam ライブラリに追加すれば、ゲームモードからそのゲームを直接起動できます。
EmuDeck
EmuDeck は 2025年1月に shadPS4 を追加し(Steam Deck HQ の報道)、AppImage を入れて ES-DE や Steam ROM Manager から起動する方式でした。その後 shadPS4 の GUI は QtLauncher に移っており、EmuDeck がいまどちらを入れるのか、バージョンを切り替えられるのかは、2026年11月時点で公式の説明が見つかりませんでした。うまくいかなければ上の手動の方法で入れてください。
フォルダーの場所
| 内容 | AppImage | Flatpak |
|---|---|---|
| ユーザーフォルダー | ~/.local/share/shadPS4 | ~/.var/app/net.shadps4.shadPS4/data/shadPS4 |
| ファームウェアのモジュール | ユーザーフォルダーの sys_modules | 同じ |
| セーブデータ | ユーザーフォルダーの home/1000/savedata/<タイトル ID> | 同じ |
| ログ | ユーザーフォルダーの log/shad_log.txt | 同じ |
プログラムと同じ場所に user フォルダーがあれば、AppImage 版はそちらを使います(ポータブルモード)。XDG_DATA_HOME を設定している場合、ユーザーフォルダーは $XDG_DATA_HOME/shadPS4 です。ゲーム、アップデート(CUSAxxxxx-patch)、DLC、ファームウェアのモジュールの形式は Windows と同じなので、Windows 版の手順 を見てください。
Steam Deck でのおすすめ設定
| 設定 | おすすめ | 説明 |
|---|---|---|
| Enable Shader Cache | オン | 初期値はオフ。オフだと新しいエリアに入るたびにカクつく |
| Display Mode | Fullscreen か Fullscreen (Borderless) | F11 で切り替え |
| Present Mode | 初期値の Mailbox、30fps 固定なら Fifo | Fifo は厳密な垂直同期 |
| 解像度 | 本来の解像度、またはパッチで 720p に下げる | Deck の画面は 1280×800。Digital Foundry は ROG Xbox Ally X で 720p パッチによりフレームレートを稼いだ |
| フレームレート | まず 30 固定、安定したら FPS 解除パッチ | PC Gamer の Bloodborne:携帯モードの FPS 解除で 60 近く、大きな戦闘で 40 前後、ドックで 30 固定 |
| Readbacks Mode | Disabled | CPU 負荷が上がるので、必要なゲームだけでオン |
| Steam のパフォーマンス設定 | まずは TDP を制限しない | エミュは CPU 負荷が高い。DF の Ally X では 35W から 25W に下げると性能が約 10% 落ち、カクつきも増えた |
解像度や FPS のパッチは、ゲームを右クリック → Cheats / Patches にあり、ゲームごとに違います。DF が ROG Xbox Ally X で Bloodborne に使った組み合わせは、色収差オフ、TaskSplit パッチ、Model LOD -2、Uncap FPS(delta time)MOD、720p 解像度パッチで、電源接続の 35W で 50〜70fps、本来の 1080p では 33〜40fps でした。Steam Deck は Ally X より非力なので、この組み合わせを出発点にしてください。ほかの値は shadPS4 の設定と落ちるときの対処 にあります。
Bloodborne だけなら:bbport
bbport は 2026年10月に登場した Bloodborne 専用の移植で、Bloodborne 1.09 だけに対応しています。shadPS4 とは考え方が違い、ゲームの x86-64 コードは PC の CPU でそのまま動かし、グラフィックだけを Vulkan に変換します(レンダラーは shadPS4 のものから始まり、のちに書き直されました)。
- Linux と、0.7(2026-10-28)からは Windows に対応。AppImage は Steam Deck のゲームモードで非 Steam ゲームとしてそのまま追加でき、出力解像度に 720p を選べます。
- 作者は「実験段階、プレイ可能」としており、最後までのクリアは確認されていません。Game Rant の実機レビュー(2026-10-09)は 1440p で平均 100fps 以上としつつ、「Steam Deck で安定するのはまだ先」と評価しています。
- shadPS4 とは別のプロジェクトなので、質問は bbport 側のコミュニティへ。
ほかの Linux 携帯機・PC
- ROG Ally や Legion Go に SteamOS / Bazzite を入れた場合:Steam Deck と同じ手順です。
- Linux デスクトップ:互換性リストで Playable がいちばん多いのが Linux です。AMD の GPU はディストリビューション標準の Mesa ドライバーで動きます。
- デバッグ:RenderDoc は Wayland に非対応なので、使うときは
SDL_VIDEODRIVER=x11を付けて起動します。ふつうに遊ぶ分には不要です。
PS5 エミュの SharpEmu と KytyPS5 にも Linux 版がありますが、どちらも初期段階です。ほかの PC 向け情報は PS の PC まとめ へ。
よくある質問
Steam Deck で PS4 のゲームは遊べますか?
shadPS4 で遊べます。Linux にネイティブ対応しているので、SteamOS に公式の AppImage か Flathub の Flatpak を入れるだけです。動作はゲーム次第で、PC Gamer によると shadPS4 0.12.6 の Bloodborne は Steam Deck OLED の携帯モードで FPS 解除時におおむね 60 近く、大きな戦闘では 40 前後、ドック接続では 30fps 固定でした。まだゲーム内に進めないタイトルも多いので、先に互換性リストを確認してください。
AppImage と Flatpak はどちらがいいですか?
最新版を使いたい、バージョンを切り替えたいなら公式の AppImage です。Version Manager で安定版もプレリリース版も入れられます。手間を減らして Discover で自動更新したいなら Flatpak ですが、ランチャーは同梱のバージョンに固定され、更新も公式より数日〜数週間遅れます。
Flatpak 版が SD カードのゲームを読めないときは?
Flatpak は最初から home、/media、/run/media へのアクセス権を持っていて、Steam Deck の SD カードは /run/media の下にマウントされるので、通常はそのまま読めます。別の場所に置いている場合は、Flatseal などで net.shadps4.shadPS4 にそのパスの権限を追加します。
EmuDeck で shadPS4 を入れられますか?
EmuDeck は 2025年1月に shadPS4 を追加し、AppImage を入れる方式でした。その後 shadPS4 は GUI を QtLauncher として分離しており、EmuDeck が現在どう対応しているかは公式の説明が見つかりませんでした。うまくいかないときは公式の AppImage を手動で入れてください。
Steam Deck で Bloodborne を遊ぶなら shadPS4 と bbport のどちら?
shadPS4 は汎用のエミュなのでどのゲームも試せ、Bloodborne の対応もいちばん進んでいます。bbport は Bloodborne 1.09 専用のネイティブ移植で、ゲームの CPU コードはそのまま動かし、グラフィックだけを変換します。Steam Deck 用の AppImage がありますが実験段階で、Game Rant は 2026年10月に「Deck で安定して遊べるのはまだ先」と評しています。両方入れても問題なく、セーブの場所は別々です。
Linux の Wayland で問題はありますか?
公式ドキュメントにあるのは、デバッグツールの RenderDoc が Wayland で使えず SDL_VIDEODRIVER=x11 が必要という点だけです。ふつうに遊ぶ分には Wayland を避けるようにとは書かれていません。Flatpak 版は Wayland と X11 の両方の権限を持っています。
出典
- shadPS4 公式サイト:Downloads
- shadPS4 公式ブログ:v0.20.0(2026-10-13)
- shadPS4 公式:互換性リスト
- PC Gamer: Bloodborne sees a massive performance boost thanks to PS4 emulator update(2025-11-24)
- Digital Foundry: ROG Xbox Ally X Runs Emulated Bloodborne Faster Than PS4 and PS5(2026-01-17)
- Game Rant: Bloodborne's New PC Port Looks Like a Steam Deck Win, But There's a Catch(2026-10-09)
- Steam Deck HQ: EmuDeck Officially Adds PS4 Emulation Support With ShadPS4(2025-01)