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偽の Switch 2 エミュ・「ぽこ あ ポケモン PC 版」に注意:Eglantine や pokopia-recomp の偽リポジトリ、「Axiom」は詐欺。見分け方まとめ
ポイント
- 2026年11月3日時点で、Switch 2 のゲームが動く公開エミュは Eden をもとにした非公式フォーク数本だけです(eden-nx2、Eglantine、Eden-NS2、PokeDinner、Android 版 Eden SX2A)。どれも実験段階で、Eden 公式とは無関係です。
- 詐欺は「初の Switch 2 エミュ」をでっち上げる形から、本物になりすます形へ。GitHub の EglantineEmu/Eglantine-Switch-Emulator は偽物で、本物の Eglantine の管理者は Djihads80 氏です。
- 偽の『マリオカート ワールド』PC 版は Loader.exe を実行させ、SourceForge にはティアキンの Recomp を改変して Launcher.exe を実行させるコピーも。11月1日以降、X には「Switch 2 ROM」をうたって Discord やストレージに誘う投稿が大量に出ています。
- 11月2日に『ぽこ あ ポケモン』の PC 再コンパイル pokopia-recomp が公開されると、11月3日時点の検索結果にはそのコピーのリポジトリや、管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる配布サイトが出ていました。本物の作者は drakolordx7 氏で、そんな手順はありません。
- 「Axiom」や量産された「Splatoon Raiders PC Port」リポジトリは引き続き詐欺です。
- MVG は10月30日、新しいエミュのダウンロードはマルウェア入りの可能性が高いと注意喚起。同じ週には GitHub の偽 PS5 エミュが情報窃取型マルウェアを広めていると報じられました。
目次
2026年11月3日時点で、Switch 2 のゲームが動く公開エミュは、Eden をもとにした非公式フォーク数本だけです。eden-nx2、Eglantine、Eden-NS2、PokeDinner、Android 版の Eden SX2A で、10月29日から順に現れました。どれも実験段階で、Eden 公式とは関係ありません。本物が出てくると、詐欺もすぐに形を変えました。「初の Switch 2 エミュ」をでっち上げる代わりに、本物のプロジェクト名を借りるようになったのです。GitHub の偽リポジトリ EglantineEmu/Eglantine-Switch-Emulator がその例です。いまの目安はシンプルで、本物はこの数本だけ、名前以外のダウンロードはすべて疑うこと。10月下旬の「Axiom」や量産された「スプラトゥーン レイダース PC 移植版」のリポジトリは、引き続き詐欺です。11月2日に『ぽこ あ ポケモン』(Pokémon Pokopia)の PC 再コンパイル pokopia-recomp が公開されると、なりすましの対象がまた1つ増えました。11月3日時点の検索結果には、すでにそのコピーのリポジトリや、管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる配布サイトが出ています。
本物はどれか(11月3日時点)
| プロジェクト | 管理者 | 公開場所 | 補足 |
|---|---|---|---|
| eden-nx2 | Takoroka 氏 | Eden のコードサーバー上の個人リポジトリ | 10月29日に Windows 向けプレリリースを1つ出したのみ、その後は更新なし |
| Eglantine | Djihads80 氏 | GitHub | 更新が最も速い。Windows・Linux・Mac。build 番号付きのプレリリース(11月3日に build 168) |
| Eden-NS2 | 0x2593 氏 | GitHub | ソースのみで、配布パッケージなし。11月3日にリポジトリがアーカイブ(読み取り専用)され、理由は説明なし |
| PokeDinner | Franseven 氏 | Eden のコードサーバー | Eglantine のフォーク。Windows、Linux、Apple シリコンの Mac 向けあり |
| Eden SX2A(旧名 eden-nx2-android) | moceure 氏 | Eden のコードサーバー | Android 移植。作者は「Eden ではなく、Eden チームはサポートしない」と明記。11月2日の v0.3.2 が最終版で、メンテナンス終了 |
どれも無料のオープンソースで、公式サイトはありません。それぞれの動作や不具合は Eden Switch 2 フォーク、登場の経緯は Switch 2 のゲームが動く最初のエミュレーター をご覧ください。
なお、Eden のコードサーバーに置かれている、名前に Eden が入っている、というだけでは公式とは言えません。Eden 公式の Switch 2 コードはまだ未マージの下書きです(Eden の Switch 2 プルリクエスト)。
新しい手口:本物へのなりすまし
当サイトが10月29日から11月1日にかけて検索して見つけた、なりすましや怪しい配布物です。
- EglantineEmu/Eglantine-Switch-Emulator(GitHub、10月30日作成):説明文はキーワードだらけ(「Eglantine Emulator v0.2.1 is the switch 2 line…」)。バージョン番号は本物の Eglantine の build 番号と合わず、zip を1つ置いてキーを入れさせようとします。最初の issue は「これは本物?マルウェア?」です。
- SourceForge の「Mario Kart World MKW Recomp」:Recomp(静的再コンパイル)を名乗りながら、中身は出どころ不明の Switch 2 エミュのビルドをまとめたものです。
- itch.io の「Mario kart world for pc」:見知らぬ GitHub リポジトリから「Loader.exe」を落として実行させる、典型的なマルウェアの手口です。
- SourceForge にあるティアキンの Recomp のコピー:元の説明を書き換え、「Launcher.exe」を実行し、Windows SmartScreen の警告を無視して進むよう求めます。
- 各種の配布サイトにある「Eden-NX2 ダウンロード」ページや、X で Eglantine などのフォーク名を使ってストレージや Discord のリンクに誘う投稿:どれも出どころを確認できません。
「Pokopia PC 版」:コピーのリポジトリと「修正スクリプト」
11月2日、『ぽこ あ ポケモン』を Windows 向けに静的再コンパイルする pokopia-recomp が最初のテスト版を出し、「Pokopia PC」はすぐに検索の多い言葉になりました。経緯は Switch 2 ソフト初の PC 再コンパイル をご覧ください。11月3日時点の検索結果には、次の2種類が紛れ込んでいます。
- pokopia-recomp のコピーのリポジトリ:別のアカウントがプロジェクトを丸ごと複製し、同じか、ほぼ同じ名前で公開しています。本物の作者は GitHub の drakolordx7 氏で、配布物は元のリポジトリのリリースページにあります。
- 管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる配布サイト:起動前に修正スクリプトを走らせる必要がある、とうたうものです。本物の説明にこの手順はありません。本物の使い方は、zip を展開してランチャー PokopiaLauncher.exe を起動し、ランチャーでゲームのフォルダーを選んで手元の PC でコンパイルする、というものです。
pokopia-recomp 自体にゲームの中身は入っておらず、バージョン 2.0.1a のゲームファイルが必要です。初回は手元でのコンパイルに約7分、さらにシェーダーキャッシュの作成に1〜2時間かかります。「展開すればすぐ遊べる」「ゲーム同梱」をうたう Pokopia PC 版は、このプロジェクトとは合いません。
X の「Switch 2 ROM」投稿
11月1日以降、X では「Switch 2 ROM」をうたい、Discord の招待やストレージのリンクを貼る投稿が1日に十数件出ています。Eglantine や Pokopia の名前で人を集めるものもあります。どれも出どころを確認できません。
10月30日には Modern Vintage Gamer(MVG)が X で、新しいエミュのダウンロードはマルウェア入りの可能性が高いので信頼できる配布元だけを使うよう呼びかけました。同じ週、Engadget は NordVPN の研究者が GitHub で偽の PS5 エミュを見つけたと報じています。パスワードを盗み、Windows Defender に除外設定を加えるものでした。
以前からの手口:「初の Switch 2 エミュ」と偽移植
「Axiom」
Emulation General Wiki は Axiom を有名な詐欺として挙げています。スロー再生した『マリオカート ワールド』の映像を、速度を上げたエミュの画面だと主張し、のちにその名前で Patreon の「先行版」の料金を集める者が現れました。Wiki によると、Maxim というエミュも同じグループが作った可能性が高いとのことです。
「Splatoon Raiders PC Port」
『スプラトゥーン レイダース』は2026年7月23日に Switch 2 で発売され、任天堂は PC 版を発表していません。当サイトが10月30日に検索したところ、GitHub では別々の複数アカウントが、ほぼ同じ名前の「Splatoon-Raiders-PC-Port」リポジトリを公開していました。説明文はどれも似ていて、「switch 2 emulator」「公式の無料ダウンロード」といったキーワードが詰め込まれ、最後は1つの zip ファイルに行き着きます。
時系列:詐欺はどう追いかけてきたか
- 10月22日:初の公開 Switch 2 脱獄 ns2jb が登場。再起動で解除され、カーネル権限はなく、本体のキーは取り出せません。
- 10月27〜28日:Will Faust 氏が非公開の nxnative 改造版で『マリオカート ワールド』を Mac と iPhone 18 Pro で動かし(コードは非公開)、別の開発者は非公開の Eden ビルドで『スプラトゥーン レイダース』をキャラ選択画面まで進めました。「Switch 2 エミュ ダウンロード」の検索が急増し、Axiom や偽 PC 移植のようなでっち上げの詐欺が目立った時期です。
- 10月29日以降:eden-nx2 や Eglantine などの非公式フォークが公開され、XDA や DSOGaming などが10月31日に報道。詐欺はすぐにこれらの名前を借りる方向へ切り替わりました。
- 11月1日以降:X で「Switch 2 ROM」をうたい、Discord やストレージに誘う投稿が1日に十数件。
- 11月2日:『ぽこ あ ポケモン』の PC 再コンパイル pokopia-recomp がテスト版を公開し、「Pokopia PC」の検索が増加。11月3日時点で、検索結果にはそのコピーのリポジトリや、管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる配布サイトが出ていました。
なぜ危険なのか
- トレンドマイクロは2025年3月、AI で書いた説明文でゲームの MOD やクラックツールを装う偽の GitHub リポジトリを報告しました。zip から SmartLoader が入り、さらに情報窃取型マルウェアの Lumma を仕込む手口です。
- BleepingComputer は2026年10月8日、「FakeGit」キャンペーンが再開し、17,610件の GitHub リポジトリが使われていると報じました。研究者が抽出したコミットの97%は説明文だけの変更で、88%は「ダウンロード」ボタンが SmartLoader を入れる zip を指していました。
- TechPowerUp と Engadget は10月下旬、PS5 エミュのプロジェクトを装った GitHub リポジトリが情報窃取型マルウェアをばらまいているという NordVPN の発見を伝えています。本物のゲーミング PC かどうかを確かめてから、Windows Defender に除外設定を加える仕組みでした。
2017年の時点で、米連邦取引委員会(FTC)は「使える Switch エミュは存在せず、あるとうたうものは詐欺だ」と注意を呼びかけていました。
見分け方
| 危険サイン | 理由 |
|---|---|
| 本物と似た名前なのに、管理者が違う | まず元のプロジェクト名と作者を確かめる。Eglantine は Djihads80 氏(EglantineEmu ではない)、pokopia-recomp は drakolordx7 氏。検索結果の上位が本物とは限らない |
| バージョン番号が本物の公開方法と合わない | 本物の Eglantine は build 番号、なりすましは「v0.2.1」 |
| 説明文と zip だけで、ソースコードがない | 本物のフォークも pokopia-recomp もソースを公開している |
| Loader.exe や Launcher.exe を実行させる、SmartScreen の警告を無視させる | よくあるマルウェアの手口。ただし本物にもランチャーはある(pokopia-recomp の PokopiaLauncher.exe など)ので、ファイル名だけでは判断できず、元のプロジェクトのリリースページから入手したかどうかが決め手 |
| 起動前に管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる | 本物の pokopia-recomp の説明にこの手順はない。管理者権限があればシステム設定の変更やウイルス対策の除外設定もできてしまう |
| キーワードだらけの説明、「公式の無料ダウンロード」 | まっとうなプロジェクトはこういう書き方をしない |
| 同じ名前のリポジトリが複数のアカウントにある | 典型的な大量ばらまきの手口 |
| ウイルス対策を切る、管理者として実行、パスワード付き圧縮ファイルを要求 | 検出を逃れるためのよくある手口 |
| 有料の「先行版」、アンケート、Discord への参加が必要 | 金銭やアクセス数が目的。本物のフォークは無料 |
| ゲーム同梱、「落とせばすぐ遊べる」とうたう | 本物のフォークはエミュ本体だけ |
プレイヤーにとっての意味
- Switch 2 エミュの実際の進み具合は Switch 2 エミュの現状と Eden Switch 2 フォークにまとめています。これらのフォークはいつ改名・消滅してもおかしくなく、そのタイミングこそなりすましが一番増えます。
- 初代 Switch のゲーム用のエミュは公式サイトだけを使ってください。たとえば Eden なら eden-emu.dev です。一覧は エミュ一覧、なりすましサイトの見分け方は偽エミュサイトの見分け方へ。
- nxnative は10月31日から公式に Switch 2 ソフトへの対応を進めています。エミュレーションではなくゲームをネイティブアプリに変換する仕組みで、公式に試験しているのは Mac だけです。詳しくは nxnative が Switch 2 に対応、『ぽこ あ ポケモン』の Windows ネイティブ版は Switch 2 ソフト初の PC 再コンパイル をご覧ください。
- 「すぐ遊べる」とうたう配布物には注意してください。
よくある質問
今すぐ使える Switch 2 エミュはありますか?
あります。ただし実験段階の非公式フォーク数本だけです。2026年11月3日時点で、Eden をもとにした eden-nx2、Eglantine、Eden-NS2、PokeDinner と Android 版の Eden SX2A がビルドやソースを公開しており、『マリオカート ワールド』など一部の Switch 2 ソフトが起動しますが、不具合は多い状態です。どれも Eden 公式ではなく、Eden 公式は Switch 2 に対応していません。これらの名前以外の「Switch 2 エミュ配布」には注意してください。
本物の Eglantine と偽物はどう見分けますか?
本物の Eglantine は GitHub ユーザー Djihads80 氏が管理する無料のオープンソースで、ビルドは「build 番号」で公開されています。GitHub の EglantineEmu/Eglantine-Switch-Emulator はなりすましで、説明文はキーワードだらけ、バージョンは本物と合わない「v0.2.1」、zip を1つ置いてキーを入れさせようとし、最初の issue からして「本物か、マルウェアか」と問われています。
Axiom エミュは本物ですか?
本物ではありません。Emulation General Wiki は有名な詐欺として挙げています。スロー再生した『マリオカート ワールド』の映像を、速度を上げたエミュの画面だと偽り、のちにその名前で Patreon の「先行版」の料金を取る者も出ました。同じグループが Maxim などの偽エミュも作ったとされています。
『マリオカート ワールド』『スプラトゥーン レイダース』の PC 版は入手できますか?
任天堂はどちらも PC 版を出していません。PC で起動できるのは上の非公式エミュのフォークだけです。itch.io、SourceForge、GitHub にある「PC 版」「PC Port」「MKW Recomp」といったページは、出どころ不明の Loader.exe を実行させるものや、同じ手口で量産された zip への誘導です。触らないでください。
「Pokopia PC 版」のダウンロードは本物ですか?
本物のプロジェクトは pokopia-recomp という『ぽこ あ ポケモン』の Windows 向け静的再コンパイルで、作者は GitHub の drakolordx7 氏、11月2日に最初のテスト版が出ました。オープンソースで、ゲームの中身は含まず、バージョン 2.0.1a のゲームファイルが必要で、手元でコンパイルしてから動かします。11月3日時点の検索結果にはそのコピーのリポジトリや、管理者権限で「修正スクリプト」を実行させる配布サイトがありますが、本物にその手順はありません。「ゲーム同梱ですぐ遊べる」とうたうものも本物とは合いません。
偽エミュを実行してしまったらどうすれば?
すぐにネットから切断し、ウイルス対策ソフトでフルスキャンしてください。そのうえで別の安全な端末から、メール、Steam、Discord、ブラウザに保存したパスワード、暗号資産ウォレットなど重要なアカウントのパスワードを変え、すべてのログインを解除します。必要なら OS の再インストールも検討してください。
出典
- Emulation General Wiki:Emulator scams
- XDA:初の Switch 2 エミュレーターでマリオカート ワールドが意外なほど動く(2026-10-31)
- DSOGaming:PC 向け初の Switch 2 エミュレーターが公開(2026-10-31)
- Modern Vintage Gamer の X 投稿:新しいエミュのダウンロードはマルウェアの可能性(2026-10-30)
- Engadget:GitHub の偽 PS5 エミュがパスワードを盗むマルウェアを拡散
- VideoCardz:Switch 2 exclusive games start running on PCs and Macs(2026-10-28)
- XDA:More and more Switch 2 games running on other devices(2026-10-28)
- Ars Technica:Switch 2 jailbreak gives hackers new ways to run homebrew and mod games(2026-10-22)
- Wikipedia:Splatoon Raiders
- TechPowerUp:PSA: Fake KytyPS5 and AnyPS5 Repos on GitHub Are Spreading Malware(2026-10)
- BleepingComputer:FakeGit malware campaign returns with 17,610 malicious GitHub repos(2026-10-08)
- Trend Micro:AI-Assisted Fake GitHub Repositories Fuel SmartLoader and LummaStealer Distribution(2025-03-11)
- TechRadar:Nintendo Switch emulators are all fake, FTC warns(2017-04-24)